Sきです。

雨男とか雨女とか、誰しも話題にしたことがあると思う。

もちろん根拠なんてあるわけもなく、ただネタとしては面白いので自分も友人を皮肉ったりはするのだが、これが自分の身に降りかかるとなると面白くもなんともない。特に山をやる人間にとっては雨なんてのは迷惑なものでしかない。

東京雪稜会に入って二年以上経ち、去年辺りから本チャンなんかもやるようになったのだが、Kそさんと本チャンを計画するとなぜか雨が降る。お互い別の人と計画すると大丈夫なのだが、どうやら組み合わせが悪いらしい。

ちなみに今までの計画はこんな感じ。

・北岳バットレス　→　登攀前日の夕方から大雨。下山
・錫杖岳（１回目）　→　雨で獅子岩に変更。それも雨で有笠に転進
・錫杖岳（２回目）　→　土曜日に台風通過で日曜日のみ太刀岡山
・谷川岳　→　雨。中止
・錫杖岳（３回目）　→　雨。中止

ということで今回が６回目のチャレンジ。天気も大丈夫そうなので行ってきたのだが…

 

メンバー：Kそ(L)、Sき
7/12(土)　新穂高温泉　→　クリヤ谷出合（泊）
7/13(日)　クリヤ谷出合　→　左方カンテ取付　→　6P取付から下降（注文の多い料理店）　→　クリヤ谷出合　→　新穂高温泉

 

●7/12(土)
この日はアプローチのみ。8:30に集合しKそさんの車で移動する。13:30に駐車場に到着。すぐに準備をして出発。今回は歩荷トレもかねて28Kgぐらい背負っていった。もちろん錫杖を登るのにそんな荷物は必要ないのだが、夏に奥穂やら前穂やら甲斐駒やら計画しているので、少しでもトレーニングをしておきたい。ということであえて重たい荷物にしてみた。

アプローチは途中のクリヤ谷が増水していないか心配していたが問題なく渡渉できた。

この日はクリヤ谷の出合でテント泊。酒を飲んで20:00には寝てしまった。

この目印を左に降りるとクリヤ谷出合です。

 

●7/13(日)
4:00に起床。天気は曇りである。
5:10出発。
5:50取付き。

先行パーティーは１組いたがもうだいぶ先を登っている。準備をしていたら後から２パーティーほどやってきた。で、6:20登攀開始。

 

■1P (Sきリード）
今回は奇数ピッチを自分が、偶数ピッチをKそさんが登ることに。
1Pは凹角のところを登る。出だしのところで枕ぐらいの大きさの岩を掴んだらおもいっきり動いて、ちょっとビビった。下に人がたくさんいたのであんなのが落ちたら大変である。左方カンテはかなり登られているルートだと思うが、それでもまだあんなのが残っているんだから、やっぱり自然の岩場は何があるかわからないものである。
それ以外は特に危ないところもなく順調に登る。50mロープをいっぱいに出してピッチを切った。

 

■2P (Kそさんリード)
2P目も凹角の続き。25mぐらいのところでピッチをきった。このピッチで凹角は終了。

 

■3P (Sきリード)
ここからはカンテを右上していく。ハンガーがないのでちょっとビビる。で、なぜか笑ってしまう。どこでプロテクションがとれるかもよくわからないが、登らないと始まらない。しょうがないので覚悟を決めて登っていく。途中２箇所程カムを決めて、少しかぶったところを越えていく。ここは岩剥き出しで高度感もあるし、ちょっとおっかないが登ってみるとかなり面白いところだった。

 

■4P (Kそさんリード)
ここはチムニーである。Kそさんはあっさりと登ってしまったが、自分はザックが岩に引っかかってしまい身動きがとれなくなってしまった。岩も濡れているし、やっぱりチムニーは苦手である。

 

■5P (Sきリード)
このピッチはどうなんですかね。凹角の左のフェースを登るのだが、ランニングがほとんど取れないのである。特に出だしから少バンドまでは完全なフリーソロと化すおっかないピッチだった。途中ハーケンが１つだけあったが、比較的きれいな軟鉄ハーケンだったので、最近打たれたのだろうか。ありがたく使わせてもらった。
で、このピッチから小雨がぱらついてきて、やばいな～とは思っていたんですが…

 

■6P
雨のせいで登ることなく敗退しました。

 

もうこのピッチを登れば実質終了だというのに。

 

このピッチの出だしが核心なのに。

 

それが目の前にあるというのに。

 

絶対誰かが見ていて雨を降らしているとしか思えない。
なんて馬鹿なことを考えてしまった。

 

下降は注文の多い料理店のルートから。結構広いクラックがあるので５番のカムがあった方がいいなと思いました。

 

 

ちゅうことで今回も雨、というオチでした。

 

＃Kそさん、撮影と運転ありがとうございました。

 

【補足】
今回登って思ったのだが、もしかしたら４番のカムがあるといいかもしれない。
今回は持って行かなかったし、なくても登れるのだが、あると安心できるかも。