【前穂北尾根】4峰正面壁松高ルート

Sキです。

会社の友人と前穂北尾根4峰正面壁の松高ルートを登ってきました。

9/13(土) 5:25 上高地 → 7:05 徳沢 → 8:36 松高ルンゼ → 10:53 BC → (偵察) → BC
9/14(日) 3:00 起床 4:25 → 6:26 取付き → 10:25 終了点 → 12:40 五・六のコル → 14:24 BC
9/15(月) 4:00 起床 5:36 → 8:33 上高地

■9/13(土) 晴れ
前夜発していたので沢渡の駐車場で仮眠。2時間ぐらいしか眠れなかったが意外と眠くはなかった。
上高地までバスで移動して早速出発。3連休とあって人はめちゃくちゃいる。

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徳沢を通過して新村橋を渡りパノラマ新道へ。パノラマ新道に入るところでちょっとだけ道を間違えたが直ぐに修正。奥又白と涸沢の分岐へ。ここから奥又白方面へ行く時に、何も考えずにまっすぐに登り始めたのが間違いだった。登山道があったのに気付かず、松高ルンゼを登ることになってしまった。
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松高ルンゼは基本的には難しくはないのだが、所々で悪いところが出てくる。自分は一回ルーファイをミスってロープを出してもらう羽目になってしまった。友人が正面から登ったところが悪そうだったので右を回ったのだが、そこで完全に動けなくなってしまうという、何とも恥ずかしいミスである。それ以外はハマることもなく、松高ルンゼを詰めていくと自然に登山道と合流した。

BCに着いてから一息入れて偵察に行くことに。やっぱりアプローチを確認しておきたい。アプローチは特に迷うことはなかったのだが、とにかく道が悪い。A沢、B沢を抜けてC沢の雪渓手前まで確認。B沢は特に悪かった。トポによるとB沢は落石が多いから入らないように、とあるが普通に歩いていたら入ってしまっていた。で、B沢を抜けてC沢の雪渓の手前に到着。ある程度下から回れば雪渓は回避できそうだが、そこからのアプローチも悪そうなので雪渓を渡ったほうが良さそうだ。この日は雪渓の渡る箇所を確認してBCに戻った。

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BCに戻るとテントが増えている。
この日は友人の所属している会の方が2パーティー来ており、松高ルートと北条新村ルートに行くとのこと。それ以外にもテントが4張り程あった。

BCに戻ってからはいつも通り酒を飲む。美味しいおつまみと晩御飯をごちそうになり就寝。食い過ぎて苦しかった。

 

■9/14(日) 晴れ

今年の天気は雨が多くて、かなり計画変更で振り回されることが多かったのだが、今回の3連休はばっちり晴れ予報である。で、当然晴れである。気持よく登れそうな予感はしていた。

4:25にBCを出発。前日下見をしていたので、C沢の雪渓手前までは順調だった。

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すでに友人の会の2パーティーが先行しておりちょうど雪渓を渡っている。昨日自分たちが下見しておいた所を渡っていたのだが、雪渓の抜け口が悪いのか、降りられるところを探している様子。しばらくすると抜け口が見つかったようで、自分たちもアイゼンを付けて雪渓を渡る。ちなみにアイゼンはこの日のために買っておいたCAMPの柔らかい12本爪のもの。軸が柔らかいのでアプローチシューズにも取り付けられる。5月に幽ノ沢に行った時、前爪がなくてズルズルと滑ってしまったが、このアイゼンはしっかりと雪を掴んでくれる。これがあれば6本爪の軽アイゼンはいらないんじゃないかと思う。

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雪渓を渡ったら超巨大なチョックストーンの手前から正面壁に取り付く。前日にルートを確認していたので取付きはすぐに分かった。先行してたパーティーは取付きがわからなかったようで、自分たちが1番手となってしまった。

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しかし、ここまでのアプローチはホントに悪かった。ガレガレでちょっとした事ですぐに落石になってしまう。4峰正面壁に行く方は十分注意して行ってきてください。

で、早速準備をして登攀開始。

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■1P Ⅱ 40m フォロー
最初は浮石だらけの草付きルンゼを登っていく。ルートがはっきりしなくて、思ったよりも右のところに抜けてしまった。

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■2P Ⅲ 40m フォロー
5m程トラバースして一度ピッチを切る。そこから2P目を登る。ここも浮石だらけでとにかく落石しないように気を使う。途中、北条新村の方でかなりでかい落石があった。それを見てちょっとビビる。このルートは落石が一番のリスク何じゃないかと思う。結局登っている間、数回程でかい落石があった。自分たちは先頭だったので危ない感じはなかったが、前にパーティーがいたら結構怖いんじゃないかと思う。やはりアルパインはおっかないですな。

■3P Ⅲ 30m リード
この辺から浮石も少なくなってきて岩も硬くなってきた。フェースを右へと進んでいく。所々ハーケンは打ってあるが、カムも使えるのでなるべくカムでランニングを取りながら登っていく。で、松高ハング手前でピッチを切る。このピッチは気持ちよく登ることができた。ただ、この終了点はでかい浮石があるので気を使った。ちょうど真下に4人いて登る準備をしているのだろうか。おそらく北条新村の取付きなのだろう。頭大の大きさの岩がテラスギリギリのところにあったのだが、こんなのが落ちたら大変である。

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■4P Ⅳ 30 A0 フォロー
で、松高ハングである。トポにはA0とあるが、ここはフリーで突破。ガバガバなので気持ちよく登れた。松高ハングを抜けてからも壁は立っているが、難しいことはない。で、松高テラスへ。このピッチも気持よく登ることができた。

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■5P Ⅳ 15m A0 リード
出だしが被っててちょっと悪い。松高ハングよりも難しいのでは。ただ、ホールドははっきりしてるし、難しいのは最初の2、3手くらいである。ということで難なくフリーで抜ける。テラスに抜けるとこれは人口じゃないと無理だろっ、ていう短い垂壁がある。かなり短い間隔でハーケンが打ってあるのでここはアブミ用なのかもしれない。どうしようかと悩んだがトポを確認すると右を回ると書いてある。なのでトポに従い右から回ったらあっさりと抜けることができた。

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■6P Ⅳ- 30m
これが最終ピッチだった。自分たちは特に難しいところもなかったが、自分たちの後を登っていた方が登っていたらデカイ岩が剥がれたと言っていた。ホントに気が抜けませんね。

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一応これでルートは終わったが、それでもⅡ級ぐらいの岩場が続く。先が見通せないのでしばらくはロープを出して登った。途中からはロープを外して右へと進んでいき、しばらくすると北尾根に抜けることができた。

 

ここから五・六のコルまで歩き、そこからBCまで登山道で下山する。最後の方で道案内がなくなり悪い所を登らされたが、それ以外は順調だった。で、無事にBCに到着。

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到着してからはもちろん酒である。しばらく酒を飲んでから晩飯だったのだが、ツマミもたくさんあって、昨日よりも腹一杯になって苦しかった。山でこんなに食べたのは初めてである。腹がパンパンで酒も飲めない。まさか酒が余るとは思わなかった。

 

■9/15(月) 晴れ
友人が夜に用事があるので早めに下山する。
下山してからは風呂に入って帰宅。少しだけ渋滞にハマったが、夕方前には帰宅することができた。

 

今回は、夏のアルパイン最後の山行だったのだが、十分満足できる山行だった。
歩く距離もそこそこ有り、アプローチも悪くアルパインの醍醐味を味わえたと思う。楽しかったので、今度は別ルートで4峰を登ってみたい。

 

ちなみに今回驚いたのが友人の歩荷力である。
# 350mlビール × 4
# 720ml 瓶入りの日本酒
# 生鮭、エビ入りの鍋具材
# 生ラーメン × 4食分
# チャーシューの塊 ×2
こんだけ背負ってるのに歩きも早いんですよね。登りはまったく付いて行けないし。恐れ入りました。

 

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