【松木沢ジャンダルム】直上ルート

Sきです。

松木沢ジャンダルムの直上ルートを登ってきました。

メンバー:Iた、Nま(杉並労山)、Sき
日程:2015/2/6(金)前夜発、2/7(土)~2/8(日)

 

とある日の会話。

「Sきさん、ジャン行きましょうよ、ジャン」

「ジャン? あぁ、ジャンダルムね。2/7,8なら空いてるよ」

「それじゃ行きましょう!」

と、何気ない会話で決まったこの山行。
松木沢ジャンダルムはゲレンデである。当日は晴れて風もなく、天候はこれ以上ないだろうというくらいバッチリである。しかし、まさか冬期アルパインがこんなにも厳しいものとは思っていなかった。ホントにクライミングというものを根本的に考え直さなければならないくらいの衝撃でした(オーバーかな?)

■2/6(金) 晴れ
22時にピックアップしてもらい移動。0時半くらいに到着。ビールを一缶開けてすぐに眠る。

■2/7(土) 晴れ
5時半に起床。6時45分頃に出発。
今回はアプローチは楽チンである。平坦な道を1時間くらい歩くだけなので、ホントに気が楽だった。
テン場について早速準備を始めて基部まで移動。渡渉はIた橋のお陰で楽勝である。その後は急登を登っていくのだが、その間に汗だくになってしまった。

今回登るルートは直上ルート(Ⅳ)、計5ピッチ。中央ルンゼの左にあるルート。
Iた君とは黒伏山以来の山行である。今までと同じで今回もつるべで行くつもりでいたのだが、Iた君のオールリードになった。

◆1P40m
しょっぱなからⅣ級という厳しいグレード。Iた君は難しそうではあるのだが、ゆっくりと確実に登っていく。10mを超えると見えなくなってしまったのだが、それからもロープが中々出て行かない。よほど難しいのだろう。1時間位かかったのだろうか。ビレイ解除の声が聞こえて一安心である。

2番手はNまさん。厳しそうではあるがしっかりと登っていく。10mくらい登った後に自分も後に続いた。

難しそうだけどフォローだしサッサと登ってしまおう、なんて考えていたのだが、出だしから悪い。足がないのである。フラットソールならステミングとかで登れそうなのだが、アイゼンなのでムーブが作れない。まさかアイゼンでバック&フットなんてムーブになろうとうは…
3mも登らないうちに「リードは絶対無理」と、今回はオールフォローで登ると心に誓った。

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それくらい厳しかったのだが、チョンボしながらなんとか登っていく。が、終了点直前でトドメをさされた。結構立っているクラックなのだがアイゼンなのでフットジャムを決められない。とにかくアイゼンで立てる足がないのである。もうどうやって登ればいいのか訳がわからない。結局どうやって登ったのか覚えていないのだが、何度もテンションをかけながら何とか登ることができた。

◆2P 15m
目の前のクラックが難しかった。きっとフラットソールなら楽しいクライミングなんだろう。松木沢ジャンダルムはクラックが発達してて、ジャミングを多用する。プロテクションも当然ナチプロである。今回思い知ったのはグローブとアイゼンではクラックは厳しいということである。ハンドジャムは何とか決められるが、問題はフットジャムでクラックにアイゼンは入らんのだ。ガリガリと焦げ臭いニオイを何度も嗅いで登っていった。

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◆3P 40m
これも出だしのクラックが悪い。Iた君は苦労しながらもフォールすることなく登っていった。自分はというと当然フォールするし、カムを掴んで上がるのが精一杯。よくこんなところをリードできるなと思う。今回はIた君の凄さを思い知った。

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◆4P 40m
ここからは中央ルンゼに合流する。ここは傾斜も落ちていて快適に登ることができた。

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◆5P 40m
最後のピッチ。出だしがちょっと悪いが、今までと比べればチョットはマシか。最後はガレガレのところを上がっていく。登りは難しくないのだが、下にNまさんがいたので、落石しないように気を使った。

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登攀開始が9時で終了点についたのが15時半。計6時間半の山行となった。フラットソールなら2時間前後で行けるようなところだと思うが、冬の登攀はホントに厳しかった。それでも登ることができたのはIた君のおかげである。

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オールフォローの人間が言うセリフではないが、こんな厳しいクライミングは初めてだった。これまでも難しかったり辛かったりはあったが、抜けるので精一杯になろうとは…
ワイドとかも大変だったが、カムでチョンボすれば登ることはできた。ただ、今回はチョンボもできないのである。

下降は右ルンゼから。ジャンダルムの頭から少し下って懸垂。そこから少し下ったところにしっかりとしたフィックスがある。それで懸垂して少し歩くと基部に到着。明るいうちにテントに戻ることができた。

夜はNまさんの調理で舌鼓をうつ。ホントに美味しかったです。

計画では翌日に右ルートを登るはずだったのだが、この日の登攀で全員精魂尽き果ててしまい、起床と共に帰路につくことになった。

松木沢ジャンダルム。クラック好きなら絶対に楽しめると思う。夏にまた来たいと思った。
ただ、冬でも上部は脆いので夏は気を付けたほうがいいでしょう。

 

今回の山行はホントに貴重だった。自分はフリーもアルパインも登攀であればそれなりにこなせると思っていたのだが、全然刃が立たなかった。Iた君はジムでも自分より強いが、1~2グレードぐらいの差でしかない。
けど、今回は明らかに違った。やっぱりアルパインは総合力が必要なんだと改めて思い知らされた。

#アイゼントレをもっとやらないとイカンですな。
#誰か付き合って!

 

【松木沢ジャンダルム】直上ルート」への2件のフィードバック

  1. Nま

    松木沢ジャンダルムを検索してたら早っ!
    もうUPしたんですね。

    厳しいクライミングでしたがお世話になりました。
    そしてビールもご馳走になりました。
    遠慮もせずに失礼しました^^;

    返信
  2. Sキ

    こちらこそありがとうございました。
    あの肉は美味かったです。今度マネしようと思います。
    またよろしくお願いします。

    返信

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