年末年始の山行のトレーニングで行ってきた。無雪期は丹沢・表尾根、積雪期はこのルートで私の体力・体調・気力をチェックしている。だから、このルートは、通常12月の初めと4月の初めに良く計画している。4月は、谷川岳の登りを西黒尾根にする事が多いのだが・・・・ 今回は土曜日が小雪の中のラッセル、日曜日は快晴の中で目標時間を設定して楽しんできました。
山行日 12月19日(土)~20日(日)
ルート
19日 土合駅地下ホーム → 土合橋 → 白毛門山頂直下 → 同ルート下降 → 土合駅 ▲(ステーションビバーグ)
20日 ▲土合駅 → ロープウェイ → 天神平 → 天神尾根 → 谷川岳・トマノ耳 → 同ルート下降 → ロープウェイ・バス停
メンバー K宮単独
荷重 20Kg
コースタイム
19日(土) 土合駅(9:25) → 1155m(11:15) → 白毛門山頂直下/ババ岩ピーク(15:20~25) → 同ルート下降 → 土合橋(17:50)→ 指導センター(18:05)→ 土合駅(18:30)
20日(日) ロープウェイ下部駅(8:40) → 天神平・ロープウェイ上部駅(9:15) → 肩の小屋(11:55) → 谷川岳・トマノ耳(12:05~10) → 天神平・ロープウェイ上部駅(13:25~30) → ロープウェイ下部駅(13:45)
19日(土) 懐かしき土合駅の下り地下ホーム、昔と違いはあるが、車掌さんとの駆け引きの場だった。
改札口まで486段、右の写真は462段目からの眺め。当時、この階段は登山者自身の体調を感じつつ、一ノ倉沢出合一番乗りや、駅待合室また指導センターの寝床を確保する為に我先にと競い合った場でもあった。
土合駅、雪も少なく車も少ない。この雪は、木から金曜日辺りで降った雪のようだ。今回はトレースをあてにしての計画だが・・・・・・
登り口で雪は20~30cm、1155m近辺は40~50cm、トレースがありラッキーと喜ぶ。ゆっくりだが着実に高度を稼ぐ。途中3人を抜き、松ノ木沢ノ頭手前(写真)でラッセルしている5人に追いつく、フカフカの雪で足場が固まらず難儀している。ここから、ラッセルに加わる。ここまで来ればと思ったが核心はここからだった。
松ノ木沢ノ頭からは、雪の量も増え平らな所で腰位、斜度のある所は胸位に感じた。新雪の為、足場が固まらず、一段ステップを作るのに同じ動作を何回も繰り返す。そして疲労と時間だけが進む。写真は稜線直下で、雪は飛ばされ足場は良くなったが、手前の広い雪面は苦しかった。行くべき方向はわかるのだが進めない。安定した足場を求めて右や左にルートをとる。単独の女性登山者は15時前に断念下降した。私はフル装備担いでいるが、4人パーティーは日帰りとの事。樹林帯までの下降時間を考慮しながら山頂をめざす。
ここは、ババ岩の上、山頂は目前だけど、一同ここで良いかと納得の決断となった。下降の事もあるし、満足感でいっぱいでもある。30分あれば空身で往復出来そうだけど、登頂にこだわりは無い。山頂で幕営し強風や耐寒訓練も考えたが予定通りの体力トレを選んだ。山頂までの最後のトレースは下でテント張っているパーティーに残しておく。
今夜の幕営地は天神平上部と考えていたが無理となった。写真を撮って直ぐに4人パーティーを先頭に下降に入る。途中まで着いて行ったが、樹林帯に入ると離され1人ヘッドランプを灯してひたすら下降する。土合橋に18時前に着く、土合駅か指導センターに行くか迷う。指導センターを選択、暗く凍った車道を疲れ切った身体で黙々と歩く。が、灯りがなく、鍵が閉まっている。張り紙には閉鎖中と書いてある。ガックリするが、テントを張る気にもならず土合駅を目指し来た車道を戻る。駅構内はすでに、団体さんでいっぱいだった。
20日(日) 土合駅を6時過ぎに出る。ロープウェイ乗り場に着くと愕然とする、扉が施錠されていたのだ。雪不足の為にスキー場がオープンしていないので、ロープウェイの運行も遅くなったようだ。寒いなか外で30分程またされた。8時40分始発に乗り天神平に降り立つ、すでに雪上訓練をしているパーティーが団体さん含め複数見られる。雪の状態は訓練には良さそうだ。今日は快晴、昨日登った白毛門(右端ピーク)と朝日岳へと続く稜線が良く見える。良く踏まれたトレースをゆっくりと歩き出す。好天も手伝って日帰り登山者も多い。歩くペースが違うので、すぐに後ろに着かれる、避けるスペースも少ないので必然的にスピードを上げざるを得ない。熊穴沢避難小屋に着いた時には、オーバーペースでヘロヘロだ。
避難小屋で大休止後、今日の目的をスピードに変更、とは言っても簡単にスピードが付くわけがない。土合駅15:34発の電車での帰京を、ロープウェイ発14:05のバスに切り替えた。約1時間の短縮だ。気持ち足の回転を速くする事と休憩時間の短縮で対応。(上の写真/天神尾根上部)
トマノ耳に12時頃着、団体さん含め多くの登山者で賑わっている。降雪直後の晴天なので周りの山々も綺麗だ。写真だけ撮って下山に入る。(写真/オキノ耳)
西黒尾根に行きたいのをこらえ、天神尾根の下降に入る。スノーボードやスキーを担いだ登山者も多くいる、どこを滑るのか、あまり無いように思える。時計とにらめっこでひたすら下降する。避難小屋からロープウェイ駅までのトラバースは辛かった。何とか間に合いそうで、そのままゴンドラに乗り込み、装備の整理はバス停で行った。
*12月初めの宝剣岳が行けなかったので、今季初の雪山である。後は、本番、3年越しの槍ヶ岳である。今年は、悪天の予報でも槍平まで行くつもりである。山は逃げる。
*今回、計画段階でのミスがあった。アプローチの情報収集である。指導センターの閉鎖とロープウェイの営業時間、今年の4月のイメージがあったのと、近いうえ1泊2日という事で軽く見ていた。この山行には影響なかったが、遠方の長期山行においては、致命的な事と成り得る。
K宮 記
素晴らしい記録に刮目の思いでいます。
冬山はいいですね。
その姿勢にはいつも感動させられます。
次の記録も楽しみです。