H田です。体調不調でどこにも出かけられずに本を読んでいました。
お薦めの本の紹介です。
「低体温症と凍傷」全面改定第二版 ゴードン・G・ギースブレヒト/ジェームズ・A・ウィルカースン著 栗栖茜訳 海山社で2000円+税です。
日本語版の初版から25年を経て全面改訂版として著されました。
期待したとおり、現行の一般書籍としては寒冷障害に関する知識と対応法の決定版であると思われます。
初版でも低体温症の概念がきわめてよくまとめられており、たいへんに役に立ったものです。
本書はそれを上回る理論と実践が網羅されています。
野外でのケアや病院での治療法に関しての進歩を受けた新しい知見も見逃せません。
中でも「人は水の中に突然転落したとたん、パニックになって息が止められず、低体温症になる前におぼれて死亡するリスクが極めて高い」ということは本書を読むまで知り得ないことでした。
また、中・重症の低体温症の要救助者はちょっとした衝撃で心室細動に陥るリスクが極めて高いこと、体を温めて死亡していることが確認できるまではけっして死亡していると考えてはならないこと、など前版から受け継がれた知見も再確認できます。
アウトドア・スポーツに関わる方だけでなく医療や災害対応に関わる方にもたいへん参考になると思います。
これから雪山やウインタースポーツ、さらには水がらみのスポーツに携わる会員のみなさま方におかれては超お薦めです!