H田です。
前夜発で6月11日(土)に裏丹沢神ノ川・エビラ沢~袖平山~風巻ノ頭北西尾根の周回コースにいってきました。
メンバーはかみさん。
6時頃出発。林道からも見ることができるF1は仕事道を使って軽く巻きました。
会員のK宮さんはかつて人工登攀したとのこと。グレート!
私はもっぱらフリーで登れそうな滝は登り、危ないと思った滝は登らないでおこうと思っていました。
序盤は仕事道のおかげで河原までイッキに進むことができました。
河原からゴルジュ帯に入り、すぐに出てくる2条4m滝の登攀は沢らしい泥臭い登りで突破。
いちおうA0なしのフリーです。
渓相は思った以上に良く、徐々に強まる陽ざしを木々が遮り気持ちよい溯行ができました。
8mナメ滝は巻こうと思ったのですが、巻き道が悪そうだったので登ってしまいました。
ぬめっている上にノーピンで、私には勇気がいりましたが探れば水線にホールドがあり何とか登れました。
標高900m付近から連瀑帯に入ります。最初の12m滝は核心と思われ、ぬめった黒光りが恐ろしげでした。
気持ちの上では簡単に巻けるなら巻きたいところでした。
ラインを読むうちにいけるかなと思え、トライしてみることにしました。
途中にはハーケンがけっこうあるとされていましたが、まともに使えるのは出だしの1本きりでした。
不安定な体勢から自分でハーケンを1本入れました(回収済み)が、適切なリスなく安心できる代物ではありません。
核心部にはボロい残置スリングがありました。ハーケンは土と同化しており、カラビナなどが入りません。どのホールドもフットホールドも思いっきりぬめっており、軽い外形が安定を妨げました。
ここは本当に怖かったです。フォールはまず重大事故になると思われましたが、降りることはできません。
甘いホールドは押さえ込み、カチをとらえてフリーで突破したのもつかの間、傾斜がやや落ちたもののランナーのないまま終了点の木に至るまではヒヤヒヤしました。
かみさんはフォローで楽しく登った模様。ともかく、お互いにオールフリーで登れました。
連続してあらわれた10m滝は少しはマシに見えましたが、もろさとぬめりは相変わらずで弱点をたどると水線際によることになるように見受けられました。
ここも残置ハーケンを拾い、エイリアン緑も使ってフリーで突破しました。
これらの滝は短いし、技術的にはどうと言うことはないと思いますが気合いがいりました。
やがて水も涸れ、終盤を知らせる10mスラブ滝に達しました。
見た目通りにホールドは豊富で、ロープをつけずにenjoy気分で登れました。
丹沢にあって比較的長いとされるエビラ沢も最終盤になりました。詰めは荒涼とした風景となります。
適当な尾根に乗って獣道をたどり、藪をこぐこともなく12時半頃東海自然歩道の1300m付近に出ました。
藪のなさは尋常でなく、シカの食圧が深刻であることが見てとれました。
袖平山(1431m)のピークをピストンし、東海自然歩道をたどり下山をはじめました。
風巻ノ頭からは一般登山道を外れ、北西尾根を下降路としました。
もうひと味わいできるからです。
この路がなかなかのもので、地形図を見ながらのルートファインディングに集中する必要がありました。廃道なので、ところどころにはそれらしい痕跡はあるものの、尾根路にしてはわかりづらい路でした。
運良く予定通りどんぴしゃでエビラ沢の河原に下り立ち、朝来た仕事道をたどって16時40分頃エビラ沢出合に戻ってこられました。
久しぶりの魂系の登りをしましたが、印象としては沢全体の美しさがむしろ強く残っており、人気の所以が理解できました。
無事帰ってこられてなによりと思った次第です。
分厚い力量に担保された沢登りですね。
さすがです!
魂でエンジョイする山行もたまに良いものですね。
次回も楽しみにしております。