南紀・豊橋の岩場にて 年末・年始のクライミングトリップ

明けましておめでとうございます。

H田です。

2016年12月27日~2017年1月2日で南紀と豊橋の岩場をクライミングトリップしてきました。

メンバーはかみさん。

 

前々から冬場に一度訪れてみたかった南紀の岩場にチャレンジすることにしました。

ちょっと遠いですがクルマの便が良さそうだったので自分の車で行くこととしました。

第二東名高速道をひた走り、伊良湖経由でカーフェリーにて鳥羽に渡り、伊勢自動車道からのアプローチは意外と早い到着となりました。

初日はアプローチのみ。阿曽温泉につかって、道の駅奥伊勢おおだいでの車中泊は快適でした。

 

まずは三重県大紀町阿曽にある白嵓の岩場から。

アプローチ至近で快適な岩場でした。

石灰岩で、20本ほどのルートがあり初級から上級者まで楽しめそうです。ただ残念なことに大規模な保全工事のため登れなくなったり変わってしまったりしたルートもあります。

白嵓の岩場「道普請は慌てずに」5.10cをMOSで登るH田

白嵓の岩場「道普請は慌てずに」5.10cをMOSで登るH田

「私は大女様」5.10aを最初に登り、enjoy!

「道普請は慌てずに」5.10cはかぶりや独特なコルネを使いながらも気持ちよく登れる好ルートでした。このMOSは嬉しかったですね。

エリア左端のルートを登ると、もう登れそうなやさしいルートはありません。

ツアー序盤でもあるので早めに切り上げ、熊野の宿に移動することとしました。

 

熊野に向かう途中で後に訪れる楯ガ崎方面に立ち寄り、神須ノ鼻のアプローチを偵察しました。

これは後に役立ちました。

自分たちは上級者でなく、ツテもない自覚があるので時間をかけても現地での偵察や情報収集は欠かせないと思っています。

今までのツアーで一貫してとってきた態度で、自信に満ちた原理主義者や連れて行ってもらうばかりの人と違って自分たちには欠かせないプロセスと心得ています。

今回の宿から岩場までは約30分ぐらい。もっと近い民宿もありましたが、気楽でストレスなく過ごせる宿を熊野市街地で選びました。現在は道路事情が良く、道を選べば距離の割には早く目的地に到達できます。

 

お次は楯ガ崎・三国合同エリアです。

駐車スペースからは比較的近い位置にあるのですが、なかなかのアプローチでちょっと怖い思いもしました。はっきりした踏み跡ではない、直線的な降り口の方に行った方が無難なようです。

このエリアも陽ざしをいっぱいに浴びて暖かく、快適な下地で和むことができました。

ただ、潮はすぐ近くまで来ており荒波の音は絶えることがありません。

ここも中・上級者向けと見え、やさしいルートはほとんどありません。

その中にあって「めはり寿司はお好き?」5.9と「ポセイドンの目覚め」5.8にトライし、いずれもMOSで登ることができました。

特に後者のルートはお勧めです。取付に至るトラバースが潮の加減でやっかいなこともありますが支点は悪くなく、スラブの快感を波音とともに味わえます。

楯ガ崎・三国合同エリア「ポセイドンの目覚め」5.8

楯ガ崎・三国合同エリア「ポセイドンの目覚め」5.8

いわゆる『簡単なルート』とは違う味わいがあるように思いました。

トポにある通り、リード&フォローと懸垂下降が良いと思います。

 

「ポセイドンの目覚め」を登っていると大自然と一体化したような気がしてくる

「ポセイドンの目覚め」を登っていると大自然と一体化したような気がしてくる

後続のグループは11ルートなどトライしていましたが、私どもは体力温存に鑑みて早くもクライミングは終了としました。

カモシカが岩場の上部をうろついていた

カモシカが岩場の上部をうろついていた

 

赤丸にカモシカの姿が 樹林に沿って行き来できるようだ

赤丸にカモシカの姿が
樹林に沿って行き来できるようだ

続いてはこの地にもある海金剛のマルチピッチルートを偵察することとしました。

ロープやギアを持たず、軽装で行けるところまでと思い定めました。

神社からの旧道がわかりにくく、地形を頼りに峠に登り、急激な下降路を辿りました。

ちょっと危険でした。行くのであればフィックスロープを何本か用意するといいかもしれません。

3Pのマルチルートがある海金剛の取付部

3Pのマルチルートがある海金剛の取付部

調べたマルチは「Stand by me」と「高嶺の花」で上部3P目の違いで10dと10cになっているようです。取付はわかりましたが、下降を考えるとシングルロープでは厳しそうです。今回は断念することにしました。

帰りは楯ガ崎(最南端)に向かって海沿いに歩きました。

釣り師が行き交っているのでところどころに細工もあり遊歩道に至りましたが、コンディションによっては危険になりかねないとも思いました。

ほどよいハイキングをしてこの日は終了としました。

宿は素泊まりなので、毎日スーパーで買い物をして食事としていました。

 

翌日12月30日は計画通り完全レスト。やることは観光です。

近くにある日本最古の神社といわれる「花の窟」や「鬼ヶ城」を始め、車で南下してめったに行けない南紀の地域を見て回りました。

観光地「鬼ヶ城」で遊ぶ ここでクライミングをしてはならない

観光地「鬼ヶ城」で遊ぶ
ここでクライミングをしてはならない

那智の滝を見ていにしえの人々と「クライマー3悪人」に想いを馳せました。

それにしても2016年のクライミングシーンは「クライマー3悪人」によって飾られた年でしたね。

那智の滝は荘厳さが漂っていた 確かにラインを読むと登攀の可能性は見いだせる

那智の滝は荘厳さが漂っていた
確かにラインを読むと登攀の可能性は見いだせる

この日は和歌山県のくじらの博物館まで足を伸ばし、帰路につきました。

 

31日は最大のねらいであった神須ノ鼻へのトライです。

夜明け直後ぐらいに駐車スペースに入りましたが、ONシーズンとみえもういっぱいでした。

神須ノ鼻 南面

神須ノ鼻 南面

下降点にはすでに前日以前に張られたフィックスロープがすだれ状態でした。

私どもは遠慮しながら自分たち用のフィックスロープを張り、1本で懸垂下降してアプローチとしました。

55mの懸垂下降で降り立つ 赤丸に私

55mの懸垂下降で降り立つ
赤丸に私

下地が広々としており快適そのもの。

遠くの岩場には釣り師も散見されました。

まずはやさしいルートから。

それでも、オールトラッドのエリア故に少々緊張します。

「たまくしげ」5.9は唯一の一桁グレードルート

「たまくしげ」5.9は唯一の一桁グレードルート

クライマーは時間とともに増えていきました。

どうもほとんどの方は顔見知りのよう。

初見のビジターにとってはアウェー感いっぱいです。

岬の方から見た神須ノ鼻 このような場所にもかかわらずたいへんな賑わいを呈していた

岬の方から見た神須ノ鼻
このような場所にもかかわらずたいへんな賑わいを呈していた

そんなクライマーの方からのお勧めの1本を登りました。

比較的プロテクションがとりやすいようで、登りやすいとのこと。

それでもやっとのことでなんとかオンサイトで登ることができました。

「高砂」5.10はなんとかOS

「高砂」5.10はなんとかOS

あまりに人が多く、取り付きやすそうなルートには人だらけ。

ちょっと興ざめなのが正直なところで落ち着きません。

周りはうまい方ばかりです。

「梓弓」5.10はosならずもフィンガーの好ルート

「梓弓」5.10はosならずもフィンガーの好ルート

体力の限界も考え、早々にご無礼することに。

核心は最後の登り返し

核心は最後の登り返し

早めの退散はいろいろな意味で大正解でした。

時間的余裕があったので、宿に帰ってから温泉に繰り出すこともできました。

 

元旦は当初トライの予定でしたが、体もきつくなっていたので取りやめ移動としました。

ここで当初の計画にはなかった愛知県は豊橋にある立岩に向かうこととしました。

この日は豊橋のビジネスホテルに宿泊。

豊橋・立岩 西壁左にある謎のエリア NP使えば様々な登り方ができる

豊橋・立岩 西壁左にある謎のエリア
NP使えば様々な登り方ができる

翌1月2日にわずかなアプローチで見参。

よくわからずにエリアを大きく外れたところから登り始めてしまいました。

終了点から見ると他に登っている方たちが見え、ようやくエリアの概要がわかりました。

立岩「チムニールート」Ⅲは易しいが楽しい

立岩「チムニールート」Ⅲは易しいが楽しい

この地のローカルの方々はとても親切で親しみやすく、いろいろなことを教えていただきました。

この場を借りて御礼申し上げます。

立岩「フェブラリーステップ」5.10a/bを登るかみさん 地元の方お勧めの好ルート

立岩「フェブラリーステップ」5.10a/bを登るかみさん
地元の方お勧めの好ルート

易しいながらも長くて楽しめるルートが多く、私の志向にぴったりの岩場でした。

フリーの岩場と言うより、アルパインチックな岩登りを存分に楽しめる遊び場感がありました。

立岩は市街地からほど近い位置にある

立岩は市街地からほど近い位置にある

なかなかとれない疲れとかねてからの膝などの故障を押しても十分楽しめる、素晴らしいエリアでした。

 

三ヶ日ICから一路東名高速をひた走り、途中で仮眠して深夜になって自宅に到着しました。

今回の走行距離(上段の数字)

今回の走行距離(上段の数字)

今回はずっと天気に恵まれ、怪我なく無事に帰ってこれてなによりでした。

たとえすっかり登れなくなったと感じていても、無事故であることが最も大切なこと。

つい先だっての秋頃は体調がおもわしくなく、それどころではなかったことからすれば満足すべき結果でした。

そして今回もかみさんには世話になりっぱなしで大感謝でした。

かみさんにツアーを楽しんでもらえたことが一番良かったと思っています。

下山連絡を引き受けてくれたK澤師匠にも感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南紀・豊橋の岩場にて 年末・年始のクライミングトリップ」への1件のフィードバック

  1. kいそ

    明けましておめでとうございます。

    南紀クライミングツアーお疲れさまでした。
    いつもながら、楽しさとチャレンジを盛り込んだ旅を楽しみに拝見させて頂きました。

    しかし、日本も広いですね。
    ああした内容のエリアを楽しむ確固たるクライマーの層が、やはりあるのですね。
    個人的には日本の何処かのエリアが、ダートバックなクライマーを育んでくれることを期待しますが、、、土壌的に無理ですかね、やっぱ。

    しかし、シークリフにカモシカ!
    日本広し!動物すごいぞ!

    返信

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