恒例、シーズン最後の雪山

K宮です。今年は月例山行として、白馬大池をベースに雪上訓練を行う事になった。初日は、栂池ロープウェイ自然園駅から白馬大池へと、移動しながら技術の習得と検証、2日目は白馬岳をピストンする事による実践訓練とした。例年、ここでの雪訓は5月の末に行っていた。6月の雪訓は初めてである。気温が高い日が続いたので雪不足が懸念された。

 

山行日   2017年.6月3日(土)~4日(日)

ルート   白馬岳/白馬大池ルート

コースタイム
3日(土)
 ロープウェイ自然園駅/1850m(8:30発) → 白馬大池/2380m(17:20着) ▲
4日(日) ▲(5:00発) →  小蓮華山/2766m(7:05~15) →  白馬大池(8:30~10:00) →  ロープウェイ自然園駅/1850m(12:00着)

メンバー  K宮(L/世話役)  D岸(世話役) マッキー  H津  M上(ゲスト参加)

 

3日(土)

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(キックステップ/1ピッチ目)             (2ピッチ目)

IMG_7010-1 IMG_7017-1(3ピッチ目)                (4ピッチ目)

今年は雪が多い。ヒュッテの手前から雪上に入る。M上さんは、雪山初めてとの事なのでチョットした斜面を使って、キックステップによる直上・直下降・斜登降・トラバースの基本練習をする。最初、夏道を使って実践訓練しようかと思ったが、他のメンバーの練習にならないので傾斜のある斜面をルートに選ぶ。M上さんはロープで確保する事にする。H津さんマッキーがリードの練習を兼ねたいと言うので2人にロープを引いてもらい、キックステップでのリード&フォロー形式とした。確保方法は、立木・アックス・肩絡み・腰絡みで、最後尾はD岸さんM上さんの前にK宮の布陣とした。この布陣で2日間通した。

IMG_7057-1 IMG_7070-1(滑落停止-1)               (滑落停止ー2)

乗鞍岳への斜面で、アイゼンワーク・滑落停止・スタンディングアックスビレー・耐風姿勢等々の確認をする。15時すぎに、空模様が怪しくなったのと白馬大池までの移動時間を考えて訓練終了。時間が足りず検証まで行かなかった。下山してくる登山者から乗鞍岳・大池は強風とのアドバイスを頂く。上部雪面を登り始めてまもなく視界が悪くなり風も出てきて、互いの姿が一時的だが見えなくなる。白馬乗鞍岳(2436.7m)に着く頃には周辺のガスはとれ視界も比較的良くなる。雪は無く石だらけ、アイゼンを外すタイミングを逸してストレスの溜まる歩行となった。

 

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(テントサイト)

強風とまで行かないが風はあった。比較的風の弱い所を選び、更に2か所にブロックを積み風よけを作った。この作業に手間取り、テント設営終了は夕暮れ間際になってしまった。6月の山行という事で甘く見て薄着で来てしまった為寒かった。明日は、下降時間指定での白馬岳ピストンの予定である。

 

4日(日)

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(時々薄日が射した)               (こんな天候状態が多かった)

IMG_7048-1 IMG_7051-1(小蓮華山直下)               (小連華山山頂)

IMG_7072-1 IMG_7073-1(K宮)                   (誰だろう)

夜半、テントの外に出ると星が見えた。しかし朝起きるとルート上部は雲に覆われている。目的地を小蓮華山に変更しハーネスとアイゼン付けて出発。尾根に出ると風が強くなった。登山道には薄く雪がついている。昨日の乗鞍岳の教訓から早々にアイゼンを外し、雪面はキックステップで対応する事とした。実践訓練でもある。雪もちらついてくる。登山道は尾根の右側に付いていて、雪と風がその右手から吹いてくる。まるで冬山である。雲の中に入ったのだろう視界も悪くなる。船越ノ頭を確認、少し下って登り切った所が小蓮華山山頂。簡易温度計で0℃だった。マッキーの髪に雪が張り付いている。寒いので記念写真を撮ってすぐに下降にはいる。登下降の際に時々薄日が射し天候回復かと期待を持たせたが結局駄目だった。船越ノ頭を過ぎると雲から抜け出て青空が広がる。途中の大池湖畔の斜面で、各自が滑落停止の反復練習をした。いい斜面でいい実践体験が出来たのではと思う。

 

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(もうすぐベース)             (斜面を尻セードで一気に滑り降りるH津)

テント場は目の前、到着時間は予定より早いが、昨夜消灯時間が遅くなり全員寝不足なので 撤収し10時下山開始とした。昨日の状態からアイゼンは付けない。稜線は雲が懸かっているが晴天である。雲がなければ最高のロケーションなのだが残念。またの機会にお預けだ。乗鞍岳を越え雪の斜面に出た所からは、各自の判断で自由に下ってもらう。但し、M上さんとK宮は念の為アイゼンを付ける。結局、D岸さん以外は尻セード、雪が硬すぎず柔らかすぎずのベストコンディションで距離もあり最高に気持ちよかった。天狗原を過ぎて最後の斜面もすべて尻セードで快適であった。

今回の月例山行は、雪上技術の習得と検証がテーマだったが、検証まではいかなかった。反省点である。6月でも高い山では冬山になる事と、悪天下の下降時に迷いやすい箇所がいくつかあり地図読みの大切さも改めて感じた。6月とか11月の山を甘く見るなという事だ。読図力は沢でも必要なので地図読みの勉強会をしても良いと思う。ゲスト参加のM上さんは、のみ込みが早いしバランスも良い、とても初めての雪山とは思えない動きだった。早い時期に戦力になると思った。この経験を12月の雪上訓練に活かしていただければ幸いである。企画と車の運転に尽力をつくして戴いたD岸さんにお礼いを言いたい。

 

 

K宮   記

 

 

恒例、シーズン最後の雪山」への2件のフィードバック

  1. doggy

    K宮さん、いい訓練になりました。6月の降雪を含めて訓練といいながら、楽しめました。
    ありがとうございましたッ!

    返信
  2. まっきー

    2年連続で雪訓に参加させていただきました。
    今回は初めて耐風姿勢を習ったことと、滑落停止の見直しで足の向きやピッケル使いを間違えて覚えていた点が、大変勉強になりました。来冬に役立てたいです。

    この時期なのに雪が降って、雪のブロック作りや小蓮華山行はとても楽しかったです。
    K宮さん、D岸さん、良い企画をありがとうございました!

    返信

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