H田です。
6/11に西丹沢中川川水系にある笹子沢の左俣に日帰りで行ってきました。
メンバーはかみさん。
西丹沢にありながらも短いコースであることから早朝出とし、前夜発とはしませんでした。
メインロードの笹子橋からいくらもいかないうちに入渓でき、大きな堰堤を3つほど越えるとそこはせせらぎしか聞こえない静寂の地でした。
小ぶりながらも沢ならではの遊びがそこかしこでできました。
やがて左右の俣を分けるF2にさしかかります。
住宅がある集落からの近場とは思えない、なかなかの滝でした。
F2は登りが難しそうに思えたので巻くことにしました。
すぐにあらわれたF3は登れる気がしたので登ってみることにしました。
スラブとはいえ手足の置き場は小さく、ぬめっていました。
中間部であまり効いていないものの、ハーケンを1本入れてから落ち口まで抜けました。
岩はもろくけっこう怖かったので、怖い滝登りはもういいかなとも思いました。
この後はいくつもの小滝を登ったり巻いたりしながら順調に登っていきました。
奥の二俣の手前では水流もなくなりました。
F8のオーバーハング滝はハーケンが入らず、手も良くなさそうなので巻きました。
眼前にあらわれたのは見た目登れそうなF9でした。
ところがこのF9、見た目以上にボロボロで資料などでは巻くことになっています。
それでも半効きのハーケンを一本入れて、トライしてしまいました。
このトライは無謀でした。
出っ張ったところは次々崩れたりとれたりします。確かなホールドはあまりなさそうです。
足もとが大崩れしてフォール寸前となり、左手の片手で止まりました。
巻くことも考えましたが、自分を止めたホールドは確かであることがわかったので不思議と行ける気がしてきました。
けっこうシビれる思いをしました。
死にはしないかもしれませんが、ねんざか骨折ぐらいはしそうな高さです。
その一方でこんな悪い岩で微妙に乗り込み、登ろうとすることには呆れるほど喜びを見いだしてしまいました。
誰も登らないようなボロ壁を登り切り、静かに興奮してしまいました。
リスクをとったことで仕事道に入ることなく、渓路をたどることができました。
詰めは細い樋状の路をたどり、たいした苦労もなく稜線に登ることができました。
帰路はほぼ一般道で難なく歩くことができ、駐車スペースまで一気に下れました。
この沢には人工的な支点がはありません。
ハーケンは打ちましたが、確実には効きそうもなく、そのすべては回収しました。
先人たちが大切に登り、無用の残置物を残していないことは素晴らしいことであったと思っています。
このような近場にある沢のマイナールートは貴重な1本です。
ここに限らず、無用の残置物はないように心がけたいものです。
下山後はすぐ近くの「丹沢ホテル時乃栖」にて温泉入浴の後、昼過ぎには帰路につきました。
半日行程の短い沢でしたが、十分に満足することができました。
臨場感溢れる記録に興奮しました。
F9ヤバいですね。
近場にこんな静かで美しい沢があるとは!ぜひ行ってみたいです。