YOSEMITE

YOSEMITE このたった8文字の地名に激しく緊張して、胸は高鳴った。
ちょうど、5月の終わりまだ肌寒い小川山でジャク豆をオンサイト決めた。
その時たまたま居合わせた知り合いの2人のクライマーに、この秋にヨセミテに行くけど、一緒に行かないか?
と誘われた。
聞けば、元会員のS木⇒さんも一緒だという。
迷った・・・。
行きたいが、まだ自分には早すぎるので・・・

悩んだ。

S木⇒さんと他2のクライマーと瑞牆の植樹祭エリアでワイドの練習をした、
どうしても、ワイドのコツが掴めず、平日に休みをとって某有名クライマーの講習会にも参加した。
カムも、オフセットのカムを買い足したりした

昼は、自家製の野菜中心のお弁当にした、毎日トポを眺めて、登れそうなルート、登りたいルート、チャレンジしてみたいルートを
探した。

夜はボルダリングでひたすら、カチを触った。

S木⇒さんとペアを組むにあたり、目標ルートを決めた。

ASTROMAN 11cのマルチだ。 名 classicである。 上部には有名なハーディングスロット!

10月6日早朝に、当会のN嶺さんとコーヒー飲みながら、お勧めルートのレクチャーを受ける。

10月6日 午後にSFOに着いた。レンタカーをして帰宅ラッシュ真っ只中ハイウェイを一路エルポータルに向かってひたすら進む。
途中、サンマテオに寄り飲み物を購入、入り江があり 暮らしやすそうな町だった。
エルポータルの宿に着いたのは、22時を回った頃だった。久しぶりの長時間のフライトとカルフォルニアの乾いた空気に
すっかりやられて悪寒がする、とりあえずチェックインを済ませて熱いシャワーを浴びる。
日本からもってきた風邪薬を飲んで寝ることに。

10/7 晴れ 暑かった 絶不調
@Church Bowl

Bishop terrace 2p 5.8 これは快適!ハンドがばっちり決まる。2pともリードさせて頂くが、1pが非常に長いことに気付くのと
日本の感覚でプロテクションを取って行くと、直ぐに玉切れになると判明・・・・。
もしやランナウトするのは結構当たり前なのか・・・。
※非常に人気ルートなので、時間は早めに行くのがお勧め! 外人のクライマーは朝弱い?かも

Church Bowl Tree
衝撃だったのが、ルートのすぐわきにベンチがあり、観光客がおしゃべりをしている・・・。
グレードは、10bのフィンガー、、、うーんパス。

@El captain Base
午後は移動して、エルキャップへ!!!絵になるわ~!ずっと見上げているので首が疲れる疲れる。
これがサラテの取り付きか~果てしないわー。
あれが、エルニーニョかな~、あれがノーズか!?などと、一人BIGWALL
HHEAD
はてしない

ここに来たら、5つ星ルート! yosemite最強の10a
Sacherecracker サッケラー!!
全長45m、長い!!70mロープでも効かない長さ。
10aだし、、と軽い気持ちで取り付いてみる。
出だしは、5.7のチムニー、、、トポにはアプローチとある。
悪い・・・嘘いでしょ?と思うくらい悪い。いきなり6番を使った。
何とか、取り付き?に着く、ここで一息入れて、フィンガー?レイバック<ライバック>
のセクションに取り付く、、足元が滑る、スメアが効かない・・・。マジ?
レイバックのままだとプロテクションが取れない!甘いフィンガーで、スモールを決める
足元をジャムるが、全然止まらない・・・。
気づくと、レイバックで力任せに上がってきてしまっている、そろそろ、指をスタックさせてナッツかカムを決めたい。
かなりランナウトしている、、ようやくスモールカムが決めれた。と同時にテンション・・・。
うーん、先はまだまだ長い。OMG

この厳しいセクションを汗だくで登り切った!次は、ハンド!ここはハンド!!と思いきやシンハンドになる、苦手だ。
もうエイドクライミングに近い・・・。
しかも灼熱! 汗だく・・・。風邪気味だったのに、代謝で治療。
そして、ダメ押しのワイド、体が入るがチキンウィングは決まらない。足もヒールトゥがきっちり決まらない
6番を下で使ってしまい、エイドも出来ない。。
ここでも奮闘!
何とかニーロックを決めて、上部のスローパーを掴み体を引き上げる・・・
終了点についた、取り敢えずセルフを取る。この1pで1時間半費やした。上を見上げると、遥か上には被ったヘッドウォールが・・・。
おそらくここから900m以上登らないと、あのテッペンには着かない。果てしない。
酷く喉が渇いた。味の素か食塩を瓶ごと飲まされたような気分だ。しかも吐き気も・・・
こんな気分は、クライミングをしていて味わったことがない。
酷い目にあった。10aかよ、、11台だろと文句を言いながら、パートナーを引き上げる。
2pも登れるようだ・・・・体が入るどころではない広いワイド、多分、ノープロだろうなあ
パートナーにバックロープを引いてきてもらい、70+60で懸垂

地上に着いて、ぐったり。
クラック

他2が果敢にもチャレンジすると言うので、見物。
リンゴでもかじろうかとザックに手を伸ばした瞬間、上空からもの凄い勢いで 何か落ちてきた!!
えええ、ザックの50cm脇に、4番が!!! 最初、他2のクライマーが落としたのかと思い、声を掛ける。
カムは落としてないと・・・マジ? 遥か上のヘッドウォールに目をやるが、分からない。
でも、どう考えても、この上部のルートから落ち来た!!
急に寒気がしてきて、ヘルメットを被ってなるべく木の茂みで休憩することに。

他2もトップアウトはできたものの、ゲロゲロだと言って降りてきた。

最強の10a!
たぶん、ヨセミテクライマーにはアップルートに違いないが・・。

帰りにスーパーによって食料を買い足して宿に戻った。
激しく疲れいて、食後直ぐに寝た。。っと、鈴木⇔さんが到着。

10/8 晴れ 灼熱 時差ぼけキツかった(S木⇔さん参戦)
@ Pat and Jack Pinnacle
じゃ

Knobjob  ボコボコしたドアのノブのような突起が特徴的! 
快適ハンドから、上部でWクラックの左に移るのがちょっと勇気いる

Sherre`s crack 出だしのフィンガークラックがキレイ、出だしにグレーディングされているっぽい

The tube
sennao

時差ボケがここにきてキツく常に睡魔に襲われて、非常に辛かった。

S木さんがThe tube にトライ!!いきなりーー! ルーフの細いクラックをレイバック気味に登っていく、カムはエイリアンを決めていたが
ここでもスメア+浅いフィンガーでプロテクションを決めるので、日本だったら、確実にPDの印が付くと思われる・・・。
Trで触ったが超絶悪かった・・・。スメアしている左足のソールが溶けるかと思うほど岩が熱い!!!火傷する・・・。
この日も夕方まで登ってスーパーで買い物して帰宅

10/9 晴れ 体調回復 ダニ問題発生<痒い>
AMは、Glacier Point でS木さんの希望でMr Naturalとういうルートを探しに行くも、ラインを見つけられずに断念・・・

gureisya-

気を取り直して、five open booksに向かう。ここは、マルチピッチの宝庫!! ヨセミテのマルチを代表するルート「Commitment 5.9」もここにある。
流石は、人気ルート、けっこうな人数が順番待ちしている。諦めて隣の「The Caverns 5.8」に転進する。4P
S木さんとジャンケンして、僕が勝ったので、奇数Pをリードさせて頂く。
5.8だけあり、快適!! プロテクションも決めやすい。これは面白い、グイグイ高度を上げていく、振り向くと、ハーフドームがキレイだ。
途中、ノープロのチムニーセクションがありビビリ、その前でピッチを切った。トポをよく見ると、左のカンテ沿いに上るという。
なかなか痺れるパート・・。S木さんがリード。すみません~

FIVE
はだか

終了点まで登り、下降は徒歩で。このルートの上にも、良さそうなマルチが続いている、、、朝から来ても1日中遊べそうだ!

10/10 晴れ ダニ問題あり<痒い×2>
@Royal Arches 
せれ

せれ
せ
べろ

朝一でアワニーホテル(今は経営者が変わり、マジェスティックホテル・・・)に車を止めて、アプローチ。
目的は、Serenity Crack<10d> とsons of yesterday<10a> をつなげる事。 今回のトリップの最大の目的!?
何組ものパーティーが登っている・・・早速準備する。 僕らは、3パーティーの編成、
我々は、3番目になった。 S木さんが奇数Pを担当。僕は偶数P。
初っ端、10mノープロで登るという・・・マジか、ピトンスカーと呼ばれる人工的にできたクラック?ポケットのような穴にジャムったり
ピンチを駆使して上がって行く。10m上がったところで0.75を決めれる。
うーーん、登り自体は難しいことろはないが、メンタルが・・・。強いハートが必要かも。
2Pの核心は、フィンガークラックから、体重移動をして、右のクラックに乗り移るところだ、、残念ながら、1テン入ってしまった。悔しい。
いよいよ、3P目だ、10d!クレイジージャムと同じグレードだ!! 核心は、湯川のテレポーテーションの最後の上部のフィンガーのピッチを3倍にしたような綺麗なフィンガー・・・。
S木さんが不調により、リードすることに!ドキドキした。思わず核心のフィンガーセクション、、声出ちゃいました。Wおおおっツッアー!
何とかトップアウトできた。 次は、sons of yesterdayの1P目だ!10a しかも長い・・・。
ハンドに見える快適だと信じて取り付く。ランナウトに慣れてきた、、でも慣れは怖い。途中、ハンドのセクションからワイドに急に変わった・・・
悪い、、、何とか足を無理やりジャム、前腕全体でスタックできた。良かった。 終了点の潅木に向かって必死で登った。
っと、左に視線を向けると、クライマーがいる2パーティー、なにやら騒がしい。音楽をガンガンに流しながらクライミングしてる。
信じられなかった。彼らは、陽気だった・・・。
SON

時間切れであと3p残して、懸垂で降りた。 次に来た時の楽しみにしておこう。っと、、、、泣
おきまりのスーパーで果物とヨーグルト、FATと書かれた牛乳を買って帰った。凄く疲れていて、速攻眠ってしまった。

10/11 晴れ ダニ問題に悩む 
@COOKIE CLIFF
が

本日は、クッキー!!朝早めに支度を整え岩場に向かう。ここは、道路に車を停めてから徒歩3分という立地!!
お目当ては、やっぱりこれだよね!outer limits 11a

OUTER

綺麗なクラックがずっと続いてる、小川山のカサブランカ2PVrっと言った感じ。
オブザべしてみる、基本的にハンドバチ効きの筈!ってことでOSで1番に取り付く。
下部は、カムを決めにくい個所が何か所かあった、中盤の細いクラックで、何故かテンション・・・悔やまれる。
上部は快適なハンドと、腕まで入るフィスト?と割かし好きなセクションだった。
ルート自体は、2Pで上部, ここで1pが切れる、そこから2pが始まる、11aは2pに付いている。
TOPOによると、フィンガーのトラバース・・・・水平クラックなのね・・。
触る気にならず。隣の、こちらも大人気ルート「crack a go go」11c これまた綺麗なクラックだ!
自分がもっと強かったら、やってみたい!!今の自分ではリードは難しい。これが現実。
易しめの「meat grinder」の1p目を触ってみる。悪くない。ENJOYな感じだった。
2pは、10cとなっている、上部のフィンガーセクションが凄く悪そう。。これもまた次回に。
この日は、鶏肉たっぷりのシチューだった。シチューに米って罪な奴だなー。

10/12 晴れ もはや痒みしか感じない
torippu
@manure pile buttress
今日は、ENJOYな日、全員で行動するのも今日が最後。
何だか寂しいよね。
ってことで、nutcracker
natto
ベアボックスに荷物を入れて、取り付く。水曜くらいから空気感が変わって寒くなった。
久しぶりに手が悴んでる。
奇数Pを自分がリードする。傾斜は緩く、カムのセットもしやすい。少しのランナウトなら気になくなっていた。
それぞれ、OSで登ることができた。核心は、フィンガーからデッドでガバを掴むところ?自分にはその後のマントルが上手く行かず
悪く感じた。

頂上からは、ハーフドーム、エルキャピタンがキレイに見えた。
っと・・・! ニット帽にサングラスをかけた上半身裸のクラマーが上がって来た。腰に目をやるとハーネスがない・・・!マジ?
そう、彼の名前はポール、クライミングバムだそうだ。フリーソロで登ってきたとの事、、ヨセミテは最高だろ?!って言って下山道を裸足で降りていった。
ぽ

午後は、マウンテンショップに立ち寄って、ギアや最新の全カラーのTOPOを買った。カムは安かった。

夜は、ご飯のあと、部屋で全員で労を労って飲み会をした。S木さんの買ってきた大量のお酒で・・。

10/13 晴れ 掻くと痒いから叩くことに
今日でyosemite ともサヨナラだ。寂しい、、
朝一で、エルキャピタンのビューポイントに寄った。
宿で淹れたコーヒーを飲みながら、BIGWALLにいるクライマーに思いを馳せた。
今頃、同じ様にコーヒーを飲んで、登る準備に取り掛かっているのか?日が当たらない今のは、もう登りだしているのか・・・。
あそこから、こちらはどんな風に見えるのか・・。 
果てしない行程に違いないのは確かだ。でもいつか登ってみたい。

観光地のGlacier Point に行って、今まで自分たちがクライミングしていた場所を見たが、本当にごく一部だ。
スケールがでか過ぎるのだ。
ff

最後は、〆はボルダーってことで、Camp4へ

さっそく異様な空気感だ、、ここは世界中にクライマーが集まる場所。
60年代、80年代、90年代と、レジェンドと呼ばれるクライマーから今まさに世界を代表するクライマーまで多くのクライマーがいた場所。

キャンプサイトからは、朝ご飯なのか、良い臭いがした。
キャンプサイトの先に、多くのクライマーが丸太に腰かけておしゃべりをしていた。
その中心に、世界一有名な課題「mid night lighting」の岩が鎮座していた

恐らく日本だと、ハイボルダーの種類に入るだろう。高い。

日本のクライマーも、黙々とトライしていた。

っと、自分のオヤジと同じ年くらいの巨漢のオヤジが取り付いている。
周りでは、カメラが3台も回っている。

JOHN

誰だろう~、ジョニー!と呼ばれていた!気迫が凄い。
あとで分かったのだが、JOHN LONG! そうASTROMANをフリー化した時のメンバーの1人でレジェンドだ。
え

ボルダリングも非常に難しく、V0とかV1を落とすのでやっとでした。
V6とか、V7、V8は歯が立たずーー。 昨日会ったポールにまた、CAMP4で遭遇した。
子供用の自転車に跨り、ボルダーマットを背負っていた。今日は、ボルダー行くらしい。お前も来るか?的なことを言われたが
今日でヨセミテを去ると言うと、またココで会おうと握手してくれた。
ポール、、カッコイイぜ!
POOO

そんな感じで、時間はあっという間に過ぎてしまい、ヨセミテを後にした。
最後に、パークの入り口にいるお気に入りのちゃん姉に挨拶できた。Lucky YOSEMITE WITH LOVEと言ったところだろう。

帰りにS木さんの知り合いが住むサンマテオのお宅に寄って、美味しいお肉を頂いて、ダニの気にならない布団で熟睡できた。

朝散歩に出かけた。海沿いで朝日がキレイだった。住みやすそうな町だった。

朝ごはんを頂き、地元のクライミングジムに寄ってから帰路についた。

帰りの飛行では、夢のような時間を回想して過ごした。
欲を言えば、もっと若い時に来たかった、1年ぐらいステイしても悪くないと思った。

また1から鍛え直して、チャレンジしてみたい。

よせ

YOSEMITE」への1件のフィードバック

  1. kいそ

    お疲れさま!

    ヨセミテ報告楽しく読ませて頂きました

    行ったことないけど、やっぱヨセミテだね!
    トリップももちろん楽しそうだけど、やっぱ、ある時期、ある長さ、ヨセミテだけに触れ続けるのがいいのかな?

    クライミングトリップでは短かく、クライミングバムでもまだまだ、やっぱダートバックかなー?

    しかし、ジョンロング!!生きてんだ!
    びっくり
    Climbg Anchors by John Longを何年ぶりかに読み返してみました。
    う〜ん、、、やっぱすごいわ

    また話を聞かせてくださいね!

    ダニはやっぱアースかな?

    返信

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