◆4月27日<土> GW初日の成田空港は混んでいた。 でも、使い古したバックパックにクソ重いキャリーバックを引っ張っているのは僕だけだった 定刻をだいぶおして、離陸した
直行便で成都まで7-8時間 映画を1本観て、あとは寝て過ごした
成都は生憎の雨、しかも蒸し暑い。
とりあえずコーディネーターの鄭さんの車で定宿まで
◆28日曇り 早起きして、ごはん前に散歩した。 太極拳をやっている集団と一緒にストレッチしたり、、
28日は、車で移動 ひたすら康定まで この高速道路、ゆくゆくは、拉薩まで繋がるらしい
夕刻に麓の村、老楡林に着いた。 早速、バター茶で夕飯を頂く。
香辛料なのか、土地の匂いなのか、お香の匂いなのか、今でも持ち帰った香辛料を嗅ぐとあの村の様子を思い出す
◆29日 晴-曇り-雪 冬靴、スクリュー、スノーバー、カム、アイスバイル、ロープ<ダブルの8.1 60mは軽かった> テント、食料、燃料、含めて余裕で20kg以上はあった 肩にバックパックのショルダーベルトが食い込む 思っ切りヒップベルトを締めて荷重を分散させながら、6キロほど歩いた。
途中途中チベット族の方に声をかけてもらうが言葉が分からない、笑顔で返すのが関の山 チベット族のお父さんにスルメをあげるが、しかめっ面 昨日宿で仲良くなった中国人のトレッカー達に柿ピー梅味をあげるが同じく困惑気味!自分の行動食スタメン1.2なのになぁと思いつつ息苦しさと戦いながら、歩を進めた。
BCの高度は、3900 めちゃくちゃ息苦しい
◆30日 雪-雲り-晴-曇り 平成最後の日は、朝から雪だった。
10cmは、積もっただろう、 ダウンパンツにダウンジャケット着て寝た… 夜、高所障害から頭が割れるように痛い、ノラジョーズの音楽も全く無意味、ダイアモックスを一錠流し込む、 いつしか眠気に襲われて、一気に落ちた。 2時ぐらい、尿意を覚えて外に出てみると、雪の中にうっすらと山の形が見えた。 あとは、5時まで寝て、朝ご飯流し込んで、停滞して10時ようやく動き出した。
目標の山へのアプローチは厳しそうだ 雪で氷河のシュルンドが見えない・・危険だ たぶん、帰って来れない 僕らには時間がない・・・・泣 鈍った体で 高所ボルダーをやってみたが、パンプになるスピードが速い、あとは、息を止めた瞬間にクラっとくる。 身体に良くない。
それでもキレイなラインを見つけることが出来た。
濡れていて完登は逃したが、楽しかった。
こんな岩が、ゴロゴロとある!
今は、4,100にハイキャンプしている、明日は待ちに待ったクライミングができそうだが、右足の踵あたりが痛いのが気がかりだ。 ハイボールをやった際に、ランディングの石に落ちたっぽい。 クライミングシューズは、履けるのが、ムーブは起こせるのか、少し不安な夜を過ごす
◆令和元年 曇り-雷雨-雹-晴-曇り-雪 素早く朝飯を流し込み、準備する 出だしは、アプローチ靴でガレ場を1時間半ほど上がった。
二人で登れそうなラインを捜す。 丁度よい傾斜のスラブを発見・・。 えらく優しい感じに見えてしまい、驕りが生まれた・・・。 ロープを結びJさんがリード 僕は、アプローチ靴に手袋で登れてしまった。
1pitch 50M スラブ 5.6 Jさん
2 50 5.9 スラブから乗越 ハンドジャム Yおか
3 30 雪尾根歩き 5.5 Jさん
4 60 5.8 高度感トラバース Yおか
5 60 a1 5.9 〔10.c〕ハンド オフィスズズ Jさん 4,800m峰 初登攀・・・
滑降、懸垂4回 懸垂の際に、岩がジーという音を聞く・・・ ???? なんの音??
初めてい聞く音だ。 次の瞬間、ヘルメット越しに頭がピリピリする!!! 最初、雹がヘルメットの隙間から入ってきたのかと思ったが、何か違う。
雷! 岩に帯電した電気が頭に降り注いでいる・・。 一刻も早く、懸垂して降りたい。 ろくに確認もせず、一気に懸垂を掛けた。
今までの懸垂下降で、もっとも速く懸垂したと思う。
恐ろしかった。
テントに着いたのは、18時頃だったと思う。
チベットの太陽はなかなか沈まず、1日を長く感じる。 それでも、放牧されていたヤク達が村に帰るところを見ると、もう夕闇が差し迫っているのだと感じる
5/2-3日は、ひたすらボルダーをやって過ごした
4日下山 午後には麓の村に着き、シャワーを浴びて、夕食は康定の街で火鍋を食べたそれがもう辛くて辛くて汗だくだった。
5日は移動して、成都に戻った
6日の朝、空港に向かい、大陸に別れを告げた
始まりと終わり
成都から車で1日、車が入る発電所から徒歩で1日、馬を使えばもう少し早く着くと言う… 肩に食い込むザックのショルダーハーネスにうんざりしながら、3,600mからBCの3,900mまで食料とギア、テント、20kg以上はある荷物を担ぎ上げる。何かの修業あるいは、何かの罰ゲームかのように。 この荷物も帰りは軽くなると信じて、微妙に背負う位置を変えながら、、 左右に広がる岩肌に目を奪われながら、進む… 一生かけても遊び尽くせないほどの垂壁、どっ被り、スラブが広がる。摂理を見てついつい、ラインどりをしてしまう。
13後半から14のマルチだとか、、 途中途中には、勿論カッコイイボルダーが点在していて、心踊る! 岩の色、大きさ、岩質、下地 ワールドクラスのハイボールが揃う… 上がる標高に重荷で、立眩みをおこしながら、スクリューを全部LZスピードに変えておけば良かったなどと雑念と闘いながら進む。 遠くには、えらく白くカッコイイ峰々が見える、どの山も高く険しそうだ。
それでも、あのピークに立てたら、どんな気分なのだろうか・・ どんな景色なのだろうか・・・と考えてしまう、、もしかすると、これは重度の病気かもしれない・・。
帰りは、持って行ったジフィーズは食べ尽くしたが、クライミングギア、ロープ、スノーアンカー、バイル、アイゼンの重さは変わる事なく、 結局濡れたテント分で上手いこと帳尻を合わされた感じで、行きと変わらない重さだった。
通訳とパーミット、街での宿や食事のお世話をして頂いた鄭さん いつも優しく山の名前、宗教の事、土地の土地の文化、街の名前、名物など細かく教えてくれる お陰で面倒な事に巻き込まれず、過ごす事ができた。
日本の奥多摩、小川山、瑞牆、八ヶ岳、北・南アルプスで鍛えたクライミングの能力がチベットでも十分に通用して良かった 色んなクライミングを幅広く経験して、引き出しを沢山持つことの重要性を感じる遠征だった
また、1からトレーニングして、次はもっとデカい壁に挑戦したい!
先日はトポを始めいろいろお世話になりました。
今回もまたすばらしい経験ができたようでなによりです。
また一回り大きくなったようで頼もしい限りです。
蓄えた経験をもとに、次の計画にも活かしていってください。
おお!
未踏峰完登おめでとう!
すごいねー
次の壁目指して精進してください。
しかし、道中、いい感じだね〜
村人たちの、物珍しけど、まぁオレらどうでもいいけどね感がなおさらgood!
ボルダーするYOKAくんがUMAに見えるのは気のせいか、、、
次回のリアルクライミングレポートを楽しみしてます。