H田です。
11/21~23の日程で姫路・雪彦山にてフリークライミングを、主にマルチピッチで堪能してまいりました。このエリアは初めてのトライ。
メンバーはかみさん。
アプローチは新幹線とレンタカーを使用。ベースは山麓のバンガローを山之内造園さんからお借りしました。
初日は偵察と遊びをかねて三峰「友人登路」という4Pのマルチの1P目にある5.11bのルートにトライしました。核心は出だしから近い数手なのですが、この時はまるで刃が立ちませんでした。
左横からⅢの登りで行くのがオリジナルらしく、こちらをたどることを確認し、あいかわらず登れない現実も確認できました。
翌22日は競合パーティーもあるかと思い、早めに出発。
7:50頃には登り始めました。
2P 目はかみさんにリードしてもらい、以降は私がオールリードとなりました。
下の写真はルートの核心ピッチを登っているところ。
何とかオンサイトできました。
上部に行くにしたがってバランシーな登りになりましたが、得意系だったようで資料にあったような5.10cには感じませんでした。
菊池さんの「日本マルチピッチ」にあるグレードと符合しており、以降のルートのグレードもそれよるところが最もあっているように思いました。
短いピッチと長いピッチをたどり、三峰のピークに至りました。
少し歩いて懸垂下降し、不行(ゆかず)岳南東壁取付へ。
次にこのルートを登るためにここまではるばるやってきたといっても過言ではない、今回のお目当てである「弓状クラック」にトライしました。
クラシックルートで、残置支点もあるのですが今回は敬意を表して残置無視のオールナチュラルでトライさせていただきました。
正面から見たほど立ってはいないものの、全体に逆層で外形しており、クラックのサイズはいいもののハングの乗越やらで私には目一杯のクライミングとなりました。
何とか登り切れました。良いスタイルでオンサイトできて嬉しさひとしおでした。
谷を隔てた地蔵岳方面に目をやると、けっこうな数の人が各ピッチに取り付いているのが見えました。山頂部には人だかりといってもいいくらいの人が見えました。
よくはわかりませんが、人気ルートなのでしょう。私どもの方は結局後続はありませんでした。
そこからさらにⅢぐらいの微妙なピッチと歩きを交え、14時頃に大天井岳(雪彦山)にたどり着きました。
ハイカーの方々と談笑し、地蔵岳の鎖場のあるルート(一般道)から下山し、途中から地蔵沢沿いのクライマー道に入って元来たアプローチ道に戻り、先ほど目にした地蔵岳東稜ルートの取付を偵察しました。
あの人出からいってもかなりやさしい、でも相当に面白いルートではないかと思いついた次第。
翌23日は天気予報は芳しくなかったものの、早朝にアプローチしてみると崩れる気配はなく、絶好のコンディションのようでした。それも昨日の人出が嘘のような貸し切りでした。
手持ちの資料にないため、グレードもわからずたぶんやさしいだろうと見当をつけて取り付きました。
期待にたがわず、やさしいのにきもちんよかの好感触でした。
日ざしも出てきて暑いぐらいに。
6P目のルート「馬の背」途中には昭和38年のくしくもこの日にたてられた遭難碑があり、不思議な感覚をもたされます。下の写真の真ん中あたりにあります。
最終ピッチは気持ちの良いフェース状スラブを短く登って地蔵岳のピークに出ます。
地蔵岳には誰もいないものの稜線からのハイカーの声や気配はよく感じることができました。
昨日もたどった下山路を使い、今度は全て一般登山道をたどったら駐車スペースまで30分ほどでつきました。
帰路は毎日入った雪彦温泉に立ち寄り、なかなかおいしい地元産のそばを食しました。
さらに姫路といえばあの『城』。
クライミングが半日で終わったので姫路城にトライすることもできました。
クローズ間際の時間だったこともあり、日中よりはずっと空いた(それでも天守は相当の混雑)状態で登城することができました。
ずっと以前から行ってみたかった雪彦山。
オールフリーでのトライはエンジョイクライマーとしては満足いくもので、11bの1P以外はオンサイトで堪能できました。
雪彦山は歴史的には大正13年の藤木九三らによる登攀までさかのぼることができる屈指のクラシックエリアです。世に知られていないフリークライミングのルートも多数あるように見受けられました。
東京からはなかなか行きづらいのはたしかですが、わざわざでもトライしてみる価値のあるエリアだと強く思いました。
ただ、夏に近いほどヒルや蜂、カメムシなど不快生物が多数いるとのこと。
今回はカメムシぐらいですみましたが、そのあたりも考慮する必要はありそうです。
今回も同行してくれたかみさんにはビレイはじめ写真の撮影などたくさんお世話になりました。
大感謝です。また一緒に行ってくれたら嬉しいな。