H田です。
7/23-24で八ヶ岳・大同心雲稜ルートで遊んできました。
メンバーはかみさん。
昨年、取付まで行ってみたものの悪天であきらめ、先週も企画したもののやはり条件が整わずあきらめていた計画でした。
今回も万全ではないものの、登れないほどではないとふんでのトライでした。
土曜日に一気にアプローチし、登攀の後余裕を持って山小屋どまりをする算段でした。
霧がかかって、展望はきかないものの天気は回復傾向とあって時折視界が開ける時もありました。
草付きは濡れていたものの、岩は乾いておりコンディションはばっちりでした。
そうなると登りはenjoy系となるはず、とワクワクしてトライしました。
1P目は小ハングがあるもののホールドばっちりでジム系の登り。
2P目はややピン間があったもののどうということはなく、核心とされる凹角は楽しい一手ものでした。
3~4P目はもろい草付き帯で悪さが加わりましたが、日本の本ちゃんとしては普通です。
バンドからのトラバースも適度なスパイスで楽しめました。
トラバースの先から登るドームはとても快適なフリークライミングを堪能できました。
「たどん」の出っ張りは心許ない気はどうしてもしてしまうのですが、大丈夫となればばっちりのホールドです。
全ピッチ終了点はきれいなハンガーボルトで、要所のランナーも同様でした。
アルパインクライミングのカテゴリーではあると思いますが、ロングフリーの様相も感じられました。
かみさんを迎え入れて、大同心の頭に立ったのは登り始めて2時間半ほどになる頃の12時半頃。
ルートの途中にも見られた美しい花がたくさん咲いていました。
この頃には展望もいくらかきいてきて、ピークからの景観を展望することができました。
横岳方面から大勢の人が見ていたようですが、気にかかることもありません。
今回はルートを貸し切りで、自分たちのペースで登れたのもラッキーでした。
懸垂3回で大同心ルンゼに下り立ち、しっかりした踏み跡をたどってもとの取付付近に戻った頃はまた霧がかかってきたところでした。
赤岳鉱泉についた頃は15時前でしたが、予定通り宿泊することとし、風呂にも入りました。
この時間帯は空いていたようで、よもやの貸し切り状態でゆっくりと湯船につかることができました。
極楽のまま、大盛況の山小屋では飲んで食事をして寝るのみ。めったにない経験です。
思えば今をさかのぼる遙かな昔、会の仲間とともに厳冬の大同心雲稜ルートを登ったことがありました。詳しいことは思い出せませんが、断片が残っています。
1P目とドームは人工登攀でしたが、フリーピッチがしんどかったような気がしています。
ドームのピッチではアブミが鯉のぼりのように真横にはためく中、必死に体をあげたような・・・。
大同心の頭では登攀を喜ぶいとまもなく、固い握手とともにことば少なく降りたような・・・。
多くが記憶の彼方になりました。
あの頃にこんなenjoy登りができるとはついぞ思いつきませんでした。
先頃亡くなった、雲稜ルートを開いた1人の南博人氏に想いをはせながら月日の流れる早さを少しだけ感じたところです。