H田です。
7/17に清里・美し森からアプローチする八ヶ岳・赤岳沢に行ってきました。
メンバーはかみさん。
この時期、3年続きでの八ヶ岳バリエーションにトライになります。
前日16日はアプローチのみで美し森の駐車場まで入りました。
時間があったので清泉寮のソフトクリームを食べにも行ってしまいました。
当日は3時起床の4時出発。
出合小屋までは堰堤群までは歩きやすい林道、その後は沢の徒渉も混じる杣道歩きでした。
前夜に降った雨もあり、露草で膝から下は入渓前にもかかわらず随分濡れてしまいました。
出合小屋付近で支度を整え、入渓したのが6:30頃。
無雪期でも天狗尾根などに入る人が多いとみえ、随所にテーピングや目印らしきものがありました。
河原状を登っていくと八ヶ岳らしい「たどん」状の石が浮き出た岩でできたゴルジュ帯になっていきました。
水流は少なく、なんとなくその水を飲む気になれません。
その直感はどうやら正解で、その後流れに野性動物の骸をいくつも目にしました。
中には生々しく原形をとどめているものも。
それらは転落したのか雪崩にやられたのかわかりませんが、人間の遺留品(アイゼンがついたままの登山靴やザックの切れ端とか・・・)とあわせて印象的でした。
今回最も印象的だった事件が発生。
小ぶりな雪渓ですが、コンタクトラインを上からたどっており口を探すことに。
上流側の際は薄いので、いったん暗い沢に降り小滝を上がろうとしたところ目の前に雪渓の塊が降ってきました。
一瞬「終わったか!」とも思いましたが、かみさんも一緒に降ってきたようでなんともなさそうなのを見て安堵しました。
規模が極めて小さかったのが幸いでしたが、沢の雪渓判断の難しさをあらためて思い知らされました。
沢はやがて樹木が乏しくなり、草付きを伴った開けたルンゼ状へと景観を変えていきました。
滝は小さめでナメ滝状もしくはチョックストーン状ですが、登るとなると侮れません。
7mチョックストーン滝は考えた末、シャワークライムでの開脚&チムニー登りとワンムーブで左から登りました。
ザックがチョックストーンに引っかかってドキドキもしました。
次の滝場は散々迷ったあげく巻きました。今回はおしなべて滝場での決断に時間がかかりました。
失敗は許されない感じで、さらにこの頃には濡れた体が冷えて少し気分が下がり気味でした。
主だった滝場を越え、ガレた様子から源頭部を予感させた頃、出ました最後の雪渓が。
この頃になるとあたりはすっかりガスっていて視界がききづらくなってきました。
予想はしていたので、ここは軽アイゼンを装着してバイルを用いながら登りました。
ところがここでも私の12本爪軽量アイゼンは渓流シューズの靴底の柔らかさに負けてとれてきてしまう始末。またしてもピンチ。
バイルをきかせてなんとか際に移動し、コンタクトラインからなんとか雪渓の切れ目まで這い上がれました。
着地はしたものの地面はボロボロ。
少しでも岩状の場所を頼みにしたいところですが、犬ぐらいの大きさの岩が簡単にとれて落ちてしまうありさま。
ガスの一瞬の切れ間を見逃さず、進行方向となる比較的登りやすそうなリッジやルンゼ状の地形を見いだせました。
そこを目指して失敗の許されないノープロクライミングでなんとかテラスに這い上がれました。
後はいくらかバケツ状になった草付きを詰めるだけ、と思いきやこの立った草付きが怖かったですね。
軟弱で不安定なザレ地で、ほんのりバケツなのにロープをつけてバイルを頼みに慎重に高度を稼ぎました。
ようやく支点らしきものを得られると意気も上がってきました。
ハイマツがあらわれ、周囲の様子からも稜線が近いことがわかりました。
フィーナーレは激しいザレ地歩きでしたが、各種高山植物が色とりどりに咲いており、目を和ませてくれました。
13時半頃、予定より30分以上遅れて稜線にたどり着きました。
ここにきてご褒美のように短い間視界が開け、キレットから阿弥陀岳、赤岳方面や市街地を目にすることができました。
のんびり身支度をして、真行寺尾根分岐に荷物をデポして赤岳山頂をピストン。
15時少し前に下山にかかりました。
真行寺尾根はなかなかの悪場で、鎖場を慎重に降りる必要がありました。
下山に相当の時間を要するとみて下山遅れも覚悟しましたが、18:20頃に美し森の駐車場着となり、無事下山を果たせました。気分としてはやはり長く感じましたね。
今回も沢登りではありましたが、八ヶ岳の地での沢は異色の感があり想像以上に楽しめました。
14時間以上の行動につきあってくれたかみさんに今回も感謝するところです。
おおっ
納涼感満載の沢登りですね!
蒸し蒸しする今日この頃、楽しく涼しく読ませていただきました。
八つの沢もなかなか渋目ですね。
清泉寮ソフト懐かし〜い
学生時代によく食べました〜〜